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表紙絵から

池田げんえい/1946年神奈川県生まれ。日本児童出版家連盟会員。創作「鬼の会」同人。日本デザイナー学院講師。はり絵作家。

平成・東海道五拾三次 その53「草津」

 

「右東海道 左中仙道」の道標がある草津本陣脇。

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─うばがもち屋─

目川からそれこそ目とハナの先にうばがもち(姥ケ餅)屋はある。現在は国道沿いに建っている。昔の場所とはずいぶんと違うらしい。さあて、絵の目川の豪邸がわからぬまま、また、石部からスタート。なるほどこれも、絵の目川の三上山は手前の山々が邪魔をして見えない。道なりに30分ほどで栗東(りっとう)地区に入る。

瓦屋根の重厚な家が多く、梁(はり)などは紅柄(ベンガラ)が使われている。つまり石部−栗東−目川−草津こんな順にのんびり歩いて、2時間、いや1時間半といったところか。またまた、旧うばがもち屋跡を訪ねようと探し回るけれど、店員さんはわかるはずもなく、街の人々の説明の突飛さに面食らうばかりで宿本陣も改装中。とうとう市役所様のお世話になったのでありました。草津って奥の深い場所だ、カンタンに通り過ぎる場所ではない。必ずまた来るぞ! とにかく、ここで1泊。

 

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旧うばがもち屋跡(現ひょうたん屋)。

 

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安藤広重絵「草津」

 

草津宿は東海道と中山道の合流地、茶店で憩う人、街道を急ぐかご、行く人来る人で賑わっている。看板にある「うばもち」は17世紀、乳母が子供を育てるために餅を作って売ったのがはじまりだとか。

 

 

 

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