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人材の育成に力を入れ、意識的にも技術的にも水準の高い在宅サービスの担い手を養成し、満足のいくサービスを提供しようとするその真摯(しんし)な姿勢は、見習うべきところが多い。特に介護保険の指定事業者をめざす団体であれば、なおさらだろう。もちろん、『さわやか埼かつ』も、NPO法人申請を予定しているとのこと。

「今はまだ会員数も少なく、十分な活動とまではいきませんが、コツコツとでも、いいケアをやっていけるグループに育てていきたいんです。それがひいては地域の方々や行政からの信頼を得ることにもつながると思いますから」

そんな同団体のこれからの方向としては、在宅サービスに加えて、宅老所の開設を準備していくこと。「そのために事務所もアパートの一室から一軒家に移しました。家賃がちょっと高くなってしまったのが悩みなんですが。でも、お年寄りというのはいつも誰かがそばにいて、話し相手になってあげる環境をつくることが大切。そうしないと、痴呆が進んだり、人嫌い、外出嫌いの“こもりきり老人”をつくってしまうことになってしまう。それでは決して、幸せな老後とはいえませんから。また、場所さえ見つかれば、グループホームも開設したいですね」

基盤づくりも順調に進みつつある今、『さわやか埼かつ』のふれあい社会づくりへの取り組みは、これからがまさに本番といえそうだ。

 

埼玉県久喜市に本拠地を置く、地域たすけあいネット『さわやか埼かつ』は、住民相互の助け合いにより、「共生」「住民相互扶助」のもとに誰もが心豊かに健やかに暮らしていける地域社会づくりをめざして設立された在宅福祉サービス団体。主なサービス内容は、食事作りや買物などの家事サービス、食事介助や排泄介助などの介助・介護、住宅修繕相談、話し相手、朗読・代筆、相談・助言など。会員になるためには年会費3000円が必要で、サービス援助の基本利用料金は1時間1100円(サービス料800円、出張費100円、事務費200円)。サービスを提供した人は1時間につき100円の出張費および謝礼金700円を受け取るか、時間預託を選択する。サービス援助時間は祝祭日を含めた24時間。(→連絡先は最終頁)

 

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分粥調理実習風景。

 

 

 

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