日本財団 図書館


企業OBボランティア

企業のOB会は、会員相互の親睦だけの組織でいいのだろうか。

東友会関東支部ボランティア部会

 

企業の第一線で活躍していた人が退職と同時に社会との接点を失ってしまう、そんな話が聞かれる中、企業で培った経験や知識を生かして定年後もボランティアとして生き生きと社会参加している方たちがいる。東友会関東支部ボランティア部会のみなさんだ。今回の本コーナーでは、いつもとちょっと趣を変えて企業OBの新しい生き方を後押しする同会の活動をご紹介しよう。(編集部)

 

東友会関東支部ボランティア部会「東海シルバー・ボランティアーズ」は、東海銀行OBの集まりである東友会関東支部が、OB会の活動の一つとして独自に行っているものだ。こうしたOBボランティアは、まだまだ日本では珍しい存在だ。

会員数は、正会員三五二名、賛助会員六一名、利用会員一七団体である。

平成五年の初めに関東支部OB有志の間で構想が生まれ、さわやか福祉財団のリーダー研修会に会員を派遣するなど、準備期間に一年かけ、平成六年一月に正式にスタートした。今年で、五周年を迎えている。

「日本点字図書館」の朗読ボランティアや週末の奉仕ボランティアなどのほかに、さわやか福祉財団や(財)地球・人間環境フォーラムなど、さまざまな公益法人に事務ボランティアを派遣している。

「銀行をリタイアした人たちが、精神的にも肉体的にも、健やかに定年後の人生を送るための一つの手段としてボランティアに注目したのです」

と、ボランティア部会長の松谷昭さんは語る。「リタイア後も、自分の得意な分野の事務ボランティアに出かけることで、生活のリズムをつくり、また生きがいを発見していく。企業のOB会は、冠婚葬祭のお手伝いなどの活動に終わっている場合が多いが、こうしたボランティアならOB会の趣旨にも合うのではないかと考えたのです」

五年を経た今、事務ボランティアなどの常時出勤先は一八団体、また三〜四〇人にのぼる人たちが常に出勤し、行く先々で高い評価を得ている。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION