介護保険導入後の高齢者福祉制度が現行のままで高齢者の暮らしを支えられるのか非常に不安です。私は急増する介護ニーズを、戦後一度も抜本的に改正されず硬直したままになっている現状の老人福祉制度でこれ以上受け止めることは不可能であると確信しています。医療が老人福祉制度の欠陥につけ込むように介護ニーズを医療ニーズにすり替え、三〇万人以上といわれる社会的入院や老人医療費の増加をもたらした「今日的介護問題」を早急に解決するためには、介護保険制度しかないと早くから主張してきました。高齢者の介護ニーズを介護保険で受け止めることは当然と考えていますが、高齢者の福祉ニーズは介護ニーズだけではありません。