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公的介護保険 入門講座 No.15

 

<保険料は平均3000円程度に?>

 

●最高8000円から最低1250円

介護保険で、65歳以上の高齢者(第1号被保険者)が払う保険料は、それぞれの市町村が来年の3月までに決めることになっている。厚生省は95年度の時点で、1人月額2500円と試算したが、最近の全国市町村アンケートなどによれば、2500円よりも高くなる可能性が強く、市町村によってばらつきが出てきそうだ。

日本経済新聞社と朝日新聞社は今年2月から3月にかけて、全国の3232市町村と東京23区を対象に介護保険の調査を行った。その結果、高齢者が毎月払う保険料の試算額は、二つの調査ともほぼ同じで平均およそ3000円だった。

市町村によって保険料に大きなばらつきが生じる点も、両方の調査で明らかになった。日経新聞の調査では試算額が最も高い自治体は月額8000円、最も低い自治体は月額1403円だった。朝日新聞の調べでは最も高い自治体が7327円、最も低い自治体が1250円。保険料の高い市町村と低い市町村の格差は、最大で5・5倍以上あることがわかる。

また、日経新聞の調査によると、各市町村の試算額を同じ県内で比較した場合、大半の県で最高と最低で2倍程度の開きが見られた。

 

●2500円では運営はむずかしい

高齢者の保険料をいくらに設定すれば介護保険制度の運営が可能かについて、全市を対象に行った調査もある。全国市長会が昨年10月に調べたもので、それによると、運営可能な保険料は「3000〜4000円未満」と回答した市が約6割で最も多く、日経新聞と朝日新聞の調査で明らかになった保険料の平均の金額とだいたい一致している。

日本労働組合総連合会(連合)などが、今年2月から3月にかけて全国の市町村の首長を対象に行った介護保険の調査の中間報告でも、高齢者の保険料について「2500円では必要な給付(サービス確保)ができないので、2500円よりも高くすべきだ」という考え方が27.3%で一番多かった。

 

 

 

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