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喜・涙・笑 ふれあい活動奮戦記

 

人は一人では生きていけない。だからこそ、助けたり助けられたりが自然にできる地域づくりをめざしたい

ケアセンター『人人(にんじん)』(栃木県)

 

「私事になりますが、昨年体をこわし、二回の入院、そして手術をしましてね。しばらくは車イス生活も余儀なくされたんですが、入院中は会員の方々からたくさんの励ましをいただいたほか、通院の介助などもしていただき、こうした助け合いの会のありがたさがつくづく身に染みました。人は一人で生きているのではない、多くの人たちの温かい心に見守られてこそ、自分らしく生きていけるのだと。また、ほんの少しの段差がいかに大きな障害物になるのかなど、体の不自由な方や障害者の立場も体験できたことは、今後の活動を続けていくうえでの大きな収穫ともなりました。そして、改めて思ったのです。宇都宮というところは、まだまだ人の世話にはなりたくない、他人を家の中に入れたくないという風潮の強い地域ですが、ほんの少しの助け合いの心が、どれだけ本人や家族の負担を軽くするのか、そのことを一人でも多くの人に知ってもらいたい。そのためには、私たちのような団体が地に足を付けて、地道に活動を続けていくことが大切なんだと」

 

こう語るのは、栃木県宇都宮市で、障害者や高齢者などに家事・介護サービスを提供する会員制のNPO団体『人人』の代表を務める植野愛子さん。控え目な物言いながらも、彼女の言葉の端々からは、内に秘めた強い思いが感じられた。

 

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第1回定期総会風景。

 

 

 

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