一般的に日本人は指紋を採取されることに抵抗を持っていると考えられている。指紋が管理機構のデータベースに保管されているのは犯罪者や何らかの後ろめたい事情があるという固定観念が、日本人の脳裏から払拭し切れていないためであろう。この個人認証システムにおいては、指紋などの個人データを公的に管理する必要はない。自ら、自分の指紋データを自分用のコンビカードに格納することによって、そのカードの使用を持ち主に限定するだけの機能である。指紋データはカード内から外部に転送されることはなく、指紋照合もカード内の演算装置を介して行われるため、外部デバイスに不正に参照される危険性も無い。ただし、指紋照合する時には、自分の指を公共の指紋読み取り装置に置いて指紋データをカードに渡すため、この動作自体を嫌悪する国民感情が強い場合には問題がある。逆に、拾得したカードを不正使用しようとする者は、使用時に自分の指紋を照合機に残さねばならないため、犯罪者にとって非常なリスクを背負わせることが出来る。また、指名手配中の犯人であれば、身元と現在位置を知らせることになるこのようなシステムを使用することは出来なくなり、犯罪の抑止にも貢献するだろう。
個人データの引き出しは、カード内の演算装置を介して行われるため、個人認証に失敗している状態では内部データを参照することは不可能である。またこのような形で格納されているデータのセキュリティは非常に高く、データを強引な方法で取り出すことはほぼ不可能である。