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一 最上層の全通甲板の上方であること。

二 主電源、これと関連する変圧器若しくは主配電盤を設けた場所又は特定機関区域内の各場所の外部であって、これらの場所の火災その他の災害による影響をできる限り受けない場所であること。

 ただし、係留船にあっては、管海官庁が当該係留船の大きさ、措置等を考慮してやむを得ないと認める場合にはこの限りではない。

三 船首隔壁の後方であること。

四 暴露甲板から容易に近づき得ること。

2 第二百八十七条第1項の非常配電盤からの電路が分電盤を経由するものである場合は、当該分電盤は専用のものとし、かつ、隔壁甲板の上方に配置しなければならない。

 

3・3・6 磁気コンパス

 

(1) 磁気コンパスに対する影響と装備条件

コンパス(羅針儀ともいう)は船舶設備規程第146条の18及び146条の19により、特に認められた船舶以外は、装備を義務づけられている基本的な航海用具である。磁気コンパスは地球磁気によって働く受動的な計器であるため、磁気コンパスの周囲の磁性体あるいは電気装置が発生する磁界の影響を避ける必要がある。これに関して船舶設備規程第257条に「磁気コンパスに近接する電路、電気機械及び電気器具は、これに有害な磁気作用を及ぼさないように配置しなければならない」と規定している。さらに航海用レーダーの性能基準を規定している第146条の13の第2項第一号に「磁気コンパスに対する最小安全距離を表示したものであること」と定め、磁気コンパスに対する影響を排除するように配慮してある。

IMOでは、すべての大洋航行船舶に一定の性能をもつ磁気コンパスの装備を義務化している。さらに、その性能を維持するための装備条件が検討され、磁気コンパスは、船体構造物及び電気装置の影響の少ない位置に装備することが要求されている。

(2) 磁気コンパスの安全距離の定義と測定法

磁気コンパスの安全距離とは、ISO勧告R694の定義によれば「磁気装置あるいは電気装置が磁気コンパスに与える影響を除去するか、あるいは大幅に減少させるために必要な最小距離で、磁気コンパスボウルの中心から各装置の最接近点までの距離」をいう。

ISOの磁気コンパス安全距離の測定法には、通常の地球磁場内で測定するA方法(Method A)と、減磁場の中で測定するB方法(Method B)とがあり、いずれかの方法で測定した値を磁気コンパスの安全距離と定義する。

 

 

 

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