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VHF、MF、HFによる通信をデジタル符号化することにより特定の船舶局又は海岸局を選択して自動的に呼出しをする装置である。呼出しを受信した場合は警報を発し、呼出しに含まれる情報は表示される。それぞれVHF、MF、HFの無線電話に付属させ、又は最初から無線電話に組込まれている。

(4) デジタル選択呼出聴守装置

デジタル選択呼出装置の受信機能のみを有する装置である。

(5) 狭帯域直接印刷電信

デジタル符号を用いて自動的に相手局に接続し、通信文書を送受信するためのテレックス装置である。

MF/HF無線設備又はインマルサット無線設備に接続される。

(6) インマルサット無線電話

インマルサット静止衛星を使用し、遭難通信を含む情報を船舶と陸上との間で直接交信する装置である。4個のインマルサット衛星は赤道上約36,000?の静止衛星軌道であって、東・西大西洋、インド洋及び太平洋上にあり、極地域を除く全世界的な通信有効範囲をカバーしている。

(7) 極軌道衛星利用非常用位置指示無線標識装置(EPIRB)

船舶が遭難した場合、コンパス・サーサット極軌道衛星を経由して陸上局に遭難の発生を送信する装置である。浮揚型と非浮揚型があり、浮揚型は手動発信のほか船舶から自動離脱して浮揚し自動的に発信される。非浮揚型は手動発信の機能のみを有し船橋等に装備される。

(8) レーダー・トランスポンダー(SART)

船舶又は航空機に装備されている9ギガヘルツ帯のレーダー電波を遭難船又は生存艇上のレーダー・トランスポンダーが受信して、そのレーダー電波を送信し返し、それを船舶又は航空機のレーダー映像面上に発信位置を一列の輝点で表示させるホーミング装置である。船舶からのレーダー・トランスポンダーの探知距離はSARTの海面上の高さ及びレーダーの空中線の高さにより変り、数海里であるが、航空機ではさらに遠くから遭難者を発見できる。

(9) 双方向無線電話装置

船舶が遭難した場合、遭難船舶と生存艇間、生存艇相互間、生存艇と救助船間で遭難現場通信を行う小型の無線電話である。

常時は、操舵室などに格納しておいて非常の際に持ち出して使用する持運び式と予め生存艇に固定装備するものとがある。

 

 

 

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