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基準周囲温度は、船舶設備規程においては40℃と定められている。

NK規則では、基準周囲温度は45℃と相違していることに注意しなければならない。

各機器の温度上昇限度は、絶縁物の許容最高温度から基準周囲温度を減じた温度以下に定められているので、設置場所の周囲温度が基準周囲温度を上回っている場合は、その超過する温度を温度上昇限度から減じる必要がある。

例えば、周囲温度が45℃の場所で使用するものは、その温度上昇限度から周囲温度が基準周囲温度を超過する温度(船舶設備規程では、45℃-40℃=5℃)を減じた温度がその機器の温度上昇限度となる。

電気機器を装備するにあたっては、メーカー等で行った温度試験のデーター及び設置場所の最高温度を調査し、その場所で使用する場合の機器の温度上昇限度を超えないことを確認しなければならない。

(2) 過負荷耐力試験

回転機に一定の過負荷条件を与え、電気的、機械的、熱的に異常がないことを調べる試験である。

通常、電圧、回転速度及び周波数を一定に保って50%過負荷を一分間与える。

(3) 過速度耐力試験

回転機に一定の過速度条件を与え、振動、音響、その他機械的異常がないことを調べる試験である。

(4) 変圧器の誘導絶縁耐力試験

巻線の耐圧試験の一種でコイルの巻線間又は層間の絶縁を調べる試験である。

試験は、コイルに常用電圧の2倍の電圧を誘起させて行うが、励磁電流が過大となるのを防ぐため、定格周波数より高い周波数(100〜500Hz)を使用して行う。

しかし、周波数の高い電圧に対しては、コイルの絶縁耐力が低下するので印加時間を試験周波数に反比例して短縮している。(第208条参照)

(5) 絶縁耐力試験

充電部と大地間又は充電部相互間に施された絶縁の強度を保証するための試験である。

異常電圧の発生は、

(i) 回路開閉による異常電圧

電路には通常電磁誘導を生じる要素(インダクタンス)があるので、しゃ断器等の断により電流が急に断たれるとき非常に高い電圧が瞬間的に発生する。

(ii) 雷による異常電圧

電路に直撃の落雷があったり雷雲の接近による誘導雷によって異常電圧が発生する。

となる。船舶の場合、異常電圧の発生は(i)が主であるが、電気機器はこの異常電圧に耐えることが必要であるので、その検証のため絶縁耐力試験が行われる。

 

 

 

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