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(8) サーミスタ*

この章の初めに、半導体は温度が上がると抵抗値が減少すると述べたが、サーミスタはこの性質を利用したもので、周囲温度の変化によって半導体を用いた回路の特性が変動するのを防ぐために用いられる。図2・13(a)に回路図上の記号を、図2・13(b)に特性を示す。

 

注* 構造、特性、動作原理ともダイオードとは異なるが、半導体回路によく使われる半導体なので、二端子素子としてこの項に加えた。

なお、ダイオードの回路図上の記号は種類が違っても特に区別しない場合が多い。記号に付された名称で規格表を調べる必要がある。

 

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図2・13 サーミスタダイオード

 

2・3 トランジスタ

 

2・3・1 トランジスタの構成

トランジスタは図2・14(a)のように非常にうすいN形半導体を、二つのP形半導体の間にサンドイッチのように挟んで接合した構造になっている。これをPNP形トランジスタと呼び、回路図上では図2・15(a)の記号で示される。これとは逆に図2・14(b)のようにP形の半導体をN形の半導体で挟んだものをNPN形トランジスタと呼び、図2・15(b)の記号で示される。

トランジスタは製法により種々の名前が付けられ、構造や特性も異なるが、基本的な動作原理はいずれも同じである。主なものとして、合金接合形トランジスタ、ドリフト形トランジスタ、メサ形トランジスタ、エピタキシャルメサ形トランジスタ、プレナ形トランジスタなどがある。

 

 

 

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