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2・7・4  捜索・救助用レーダー・トランスポンダー

 

(1) 捜索・救助用レーダー・トランスポンダーとは

捜索・救助用レーダー・トランスポンダーは、船舶や航空機が海上で遭難あるいはこれに類するような人命の安全に係る重大な事故が発生した場合、その発見や救助率を向上させようとして企画されたものである。

この装置は、前述のレーコンに比べてはるかに小型に構成できるので、あらかじめ救命いかだの天幕上又は救命艇の頂部に装備しておいて、事故が発生したときに起動させるもの、あるいは海上で浮遊するような形に構成したものを船舶上に装備して、船舶が横転したとき自動的に海上へ放出されるもの等が考えられ、そのほかにも、個人が携帯できるようにした腕時計型のものも出現する機運にある。

これらはいずれも9GHz帯のレーダー(航海用レーダー、捜索航空機用レーダー等)を対象に、レーダー側から見てこのトランスポンダーが存在する位置の後方に多数の点列を表示し、その方位や距離情報とともに、この固有のシンボルによって事故を通報しようとするものである。

この捜索・救助用レーダー・トランスボンダーは、ITU(国際電気通信連合)、IMOなど国際会議の場では“Radar transponder for facilitating search and rescue operations"又は“SAR transponder" あるいは単に“SART"と呼ばれているので、以下SARTと略すことにする。

 

(2) SARTの構成と動作

この装置は本体とコンテナから構成されている。

 

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図2・12 SARTの一例

 

 

 

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