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3・5・2 銀ろう付けの方法

(1) ろう付け前の注意事項

(a) 導波管の切断面は、導波管に対し直角であることを確認する。直角でないと、接続したとき導波管に無理な力が加わる。

(b) 切断面はやすり又はサンドペーパーでばりを取って整形する。特に内側のばりは、小さな細かい目の平やすりで丁寧に取り、導波管の伝搬損失を減らすように心掛けねばならない。

(c) ろう付けする部分に油類が付着していると、ピンホール発生の原因となるから適切な溶剤等で脱脂する。

(d) ろう付けする部分の熱拡散を防止する目的で、レンガブロックの上で作業した方がよい。

(e) 銀ろうとフラックスは、一対の組になっているので、異った組合せで使用すると失敗する。(銀ろうメーカーの指定のフラックスを用いる。)

(f) 銀ろう付けの秘けつは加熱温度にある。(約620℃〜700℃)

(g) 導波管の一端がチョークフランジならば、他端はプレンフランジの組合せとなる。

(2) 使用材料

銀ろうはJIS規格でBAg-1〜11まであり、低温用としてはBAg-1又はBAg-7が最適と思われる。これに相当するものが、フラックスと組みにして、いろいろな商品名で市販されている。例を示すと下記のようである。

(a) キングソルダ#101とフラックス#6

(b) JS445Dとフラックス#27

(c) 金属溶材#318とフラックス#304

(3) 手順

(a) フランジに挿入した導波管の切断面が、フランジ面と一致しているか確認する。

(b) フランジ面をレンガの上に置き、この面と導波管が直角になるように工夫して固定する。

(c) フラックスをろう付けする部分に薄く塗布する。

(d) ガスバーナーで溶接部を約620〜700℃になるように均一に加熱する。バーナーの火色の変化に注意していると、丹銅の場合は、赤色→緑、青色→白色に変化することが分かり、この白色になったときが適温である。また、フラックス#6を使用の場合には、加熱すると、あめが溶けるように流れだし、これが透明になったときが適温である。このとき、銀ろうを接触させると、ちょうど、はんだを流すときと同じように流れる。

 

 

 

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