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ただし、主又は補助の圧縮空気装置から、非常発電装置の設置区域に設けられた逆止弁を介して、非常発電装置用の空気タンクに給気することは差し支えない。

-4. 自動始動が要求されない場合には、始動装置は、始動方法の有効性を実証できる手動のクランキング、慣性始動、手動で充てんされる蓄圧器又は火薬カートリッジ等の手動始動とすることができる。

-5. 手動による非常発電装置の始動が困難な場合には、始動装置は、前-2.及び-3.に適合するものでなければならない。ただし、始動開始のための操作は人為的に行ってよい。

 

1・2・5 磁気コンパスに対する安全距離

 

(1) 磁気コンパスに対する影響と装備条件

磁気コンバス(磁気羅針儀ともいう)はSOLAS条約によって、150屯以上の船舶に装備が義務づけられている基本的な航海機器であり、現在IMOで審議中の新SOLAS案では原則としてすべての船舶に装備を義務づけるよう強化されている。そして磁気コンパスのカードのところには地磁気のみが存在するようにするために、船橋に装備される電気的又は磁気的設備の各ユニットには、磁気コンパスに対する安全距離を表示しこれを守って装備するように、IMOの決議A382(10)磁気コンパスの積付及び性能基準で定めている。

これを受けて、わが国では船舶設備規程第146条の18によって特定の船舶以外は磁気コンパスの装備を義務づけるとともに、船舶設備規程第257条に「磁気コンパスに近接する電路、電気機械及び電気器具は、これに有害な磁気作用を及ぼさないように配置しなければならない。」と規定している。

さらに、航海用レーダーの性能基準を規定している第146条の13の第2項第1号に、「磁気コンパスに対する最小安全距離を表示したものであること。」と定め、磁気コンパスに対する影響を排除するよう配慮してある、

(2) 磁気コンパスに対する安全距離の測定法

磁気コンパスに対する安全距離は、ISOの規則694によって測定されるが、従来AとBの2つの方法があって、そのいずれかによることとなっていたが、最近の見直し作業によって、より簡単な一つの方法にまとめられこれが合意されることになっている。その方法を以下に述べる。

通常の地球磁界において供試機器ユニットを下記の条件で試験し、測定用コンパス又はマグネットメータの中心と供試機器ユニットの最も近いところの距離で測定する。

 

 

 

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