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5・4・2 周波数変換回路の例

前節で述べたように周波数変換の原理は振幅変調のそれとほぼ同じであるから、周波数変換回路は振幅変調回路の回路定数を変換周波数に合わせて変えるだけでよいということになる。図5・39に自励形周波数変換回路を示す。ベースに局部発振器の出力を加えるということで、図5・29のベース変調回路と類似のものであるが、変換用のトランジスタが同時に発振作用も担っており、Cl、Llの共振回路の共振周波数f0で発振している。f1-f0が中間周波数の例えば455kHzになるようにf0を選び、C0、L0の共振回路を455kHzに同調して、この周波数成分のみを取り出している。Ci、Liは入力信号の周波数f1に同調さる。f1が変わったときはCiとClを同時に変えて、それぞれの共振回路の共振周波数を変え、f1-f0が常に中間周波数になるようにしてある。

 

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図5・39 自励周波数変換回路

 

図5・40に周波数変換の応用例として高感度受信機のブロック図を示す。同図の混合と書かれたところで次々に3回周波数の変換を行い、それぞれの中間周波数で増幅して感度を稼いでいる。またこの方法で同時に分離度もよくなる。なお、この例ではスーパーヘテロダイン受信機の「混合」回路の場合を述べたが、シンセサイザー方式の送受信機における周波数の合成回路には図5・31に示したリング変調回路も多く利用されている。

 

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図5・40 高感度ヘテロダイン受信機のブロック図

 

 

 

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