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図2・24 シンクロの原理

 

ただし、電動機の回転軸に重たい負荷が掛かっていると、この回転の追従にはある程度の遅れを生じ、追従誤差となる。そこで、この誤差を少なくするため、例えば、送る側の回転を歯車によって 360倍、すなわち、送る側の回転軸が1度回転するごとにシンクロが一回転(360度の回転)するようにし、シンクロ電動機側の回転も同じ歯車比で落とすようにすると、その歯車比(この場合は1/360)だけ小さくすることができる。

このほか、回転の角度を伝達する電気機器にはステップモータがある。このステップモータはそのモータに入力パルスが加わるごとにある定まった角度だけ、その回転軸が回転するもので、その方法には幾つかの種類がある。

 

2・19 サーボ機構

サーボ機構とは、ある物体の角度、位置、姿勢など、その幾何学的な位置を自動制御する技術を総称している。そして、サーボ機構の場合には入力信号に比べて出力の制御をする力が大きくなるのが普通である。いま、軸の回転に関するサーボ機構の原理を図2・25に示す。図は、入力軸がある回転をしたときに、それと同じ回転を遠隔の場所にある出力軸に、より大きなトルクを与えて伝える機構が示してある。入力回転角は、その軸に取り付けてある回転角度センサで測定をする。出力軸にも同様のセンサが取り付けられていて、この入力と出力のセンサの値は誤差検出器で比較され、両者の差に比例した誤差電圧が作られる。この誤差電圧はサーボ増幅器で増幅され、出力軸に結合されているモータ(サーボモータ)を回転させる。こうして、入力と出力のセンサの信号の差がゼロになるまで出力軸を速く回転させ、以後は入力と出力の両軸は同期をして回転を続けることができる。

 

 

 

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