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〔注意〕

(a) 巻線形では二次端子を短絡して行う。

(b) 二次電力計の読みから力率は次の式で求める。

167-1.gif

ただし、力率が50%以下の時は一方の電力計の読みは負の値となることに注意。

この値と入力・電圧・電流から求めた力率が合致していることを確かめる。少くとも両者から算出した力率の差は後者の10%以下のこと。

(c) 電流の大きい電動機を試験する時、VTから電動機まで線路が長いと、電圧降下が無視できないのでVTを電動機端子に接続すること。

(d) 巻線形電動機では回転子の位置によってインピーダンス電圧の値が多少変るので(±3〜5%ぐらい)、平均値を示す位置で行うこと。

図2.40は回転子位置による拘東電圧の変化の一例を示す。

(e) 拘束したまま電流を通すので巻線が加熱するから迅速に行うこと。

(f) この試験で電流が不平衡な場合は、巻線のつなぎ違い、接続部のろう付不良、層間短絡などが考えられる。

 

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図2・40 回転子位置の変化に対する拘束電圧の変化の一例

(全閉巻線形15kW-8極-200V-50Hz)

 

(2) 低周波拘束試験

特殊かご形誘導電動機・大容量高速機などは(1)の定格周波数による拘束試験のほかに、定格周波数の1/2の周波数でも同じような試験を行う。これを低周波拘束試験といい特殊かご形電動機の回転子導体の電流による漏れ磁束の分布が二次周波数によって変化するため、回転子の拘束時と運転時ではインピーダンスに相当の相違を生ずる。このため定格周波数と1/2周波数によるインピーダンスから運転時(円線図法では定格周波数の1/5の周波数)のインダクタンスと抵抗を算定している。

〔注意〕

この試験では、定格周波数の1/2の周波数を発生する電源が必要であるが、ない時は、定格周波数を発生している状態から試験用発電機の駆動機の電源を切って、減速させる途中で測定するとよい。

 

 

 

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