日本財団 図書館


〔説明〕 交流始動器について

(i) 始動方式は、全電圧じか入始動と、減電圧始動とがある。発電機の出力から一概には定められないが、大体、発電機容量の約1/8以上の電動機を減電圧方式としている。

減電圧方式には、始動補償器方式とY−Δ(スターデルタ)方式がある。

(ii) 不足電圧保護装置については、不足電圧解放UVR(LVR)と、不足電圧保護UVP(LVP)とある。

U.V.P・・・停電などにより、電源が不足電圧、無電圧になり、運転中の電動機が停止したのち、電源が復旧しても、電動機は自動的に運転しないので、改めて手動により始動してやるもの。

U.V.R・・・前記と同様に電動機が停止したのち、電源が回復すると自動的に運転するもの。

 

072-1.gif

 

(iii) 始動器は、0.4kW以下のものはナイフスイッチ(ヒューズ付)、それを超えるものは、電磁接触器を使用するのが普通である。

(iv) 始動器用電流計を要するものの例を次に示す。

(イ) 直接電気駆動の甲板補機

(ロ) 操舵機

(ハ) 油清浄機

(ニ) ターニングモータ

(ホ) 発電機容量に対して比較的容量の大きい機器

〔説明〕 不足電圧保護装置について

交流始動器の不足電圧保護装置には、前述のとおりUVPとUVRがあるが、始動器の主回路の開閉機構は、0.4kW以下はモータブレーカ又は、ナイフスイッチ、それを超えるもの、すなわち0.75kW以上は、電磁接触器を使用するのが普通であるので、ナイフスイッチ形のものは、構造上UVRとなってしまうから、0.4kW以下でUVPを必要とする場合は、電磁接触器形とする必要がある。

(f) 始動用抵抗器は、船の振動、動揺などに十分耐え、海水及び湿気に対して優れた耐食性をもち、かつ、界磁抵抗のように、一定の抵抗値を保つ必要がある場合には、その抵抗体に著しい変化の起こらないものを使用する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION