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4・3 防食

 

鋼鉄製の船舶では、銅系統のスクリュープロペラと外板間及び鋼板とアルミニウム系統の艤装品との接触部等では4・2で述べたような局部電池作用によって腐食がおこる。これを防止する方法として次のような方法が行われている。前者の場合には、犠牲陽極として、例えば、亜鉛(Zn)等を銅系統のスクリュープロペラ付近に設けて、鋼板の腐食の身代りとして亜鉛を腐食させて、防止する方法であって、これが一般的である。後者の場合は、鋼板とアルミニウム又はその合金製品との接触部の防食として、ジンクロメート等の電気絶縁材料等を介在させて局部電池作用を防止する方法である。

このほかに、船舶の外板に対しては外部電源防食装置がある。この原理は図4・2に示されたとおり、電解液中(海水中)で電位の低い陽極から電位の高い陰極の方に電流が流れている間、陽極の腐食が進行していることになる。(この場合外板が腐食する。)これを防止するためには、外部から逆に電流を流すようにする。

この方法について例をもって説明すれば、図4・4において、鋼板(被食体)が海水の電解液中にあって腐食される。その防食のため、適当な位置に鋼板と絶縁した陽極を設ける。鋼板を陰極としてこの間に直流電源を数ボルト与えれば、図4・4のように電流が流れる。これによって鋼板から外部への電池電流を防ぐことができて、防食の役目を果すことができる。この方法を外部電源陰極防食装置ともいう。

なお、海水と船体外板との間の電位が適当であるように、基準電極を設けて測定し、絶えず適当な防食電流を流すよう制御する必要がある。

 

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図4・4

 

 

 

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