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しかし図4・2(a)と図4・2(b)とでは電流の値は同一でも、その方向は半回転毎に反対である。即ち、左図のような波形となるので、これを交流波形という。このような発電機を交流発電機という。また、強い磁場のN極、S極を作るために磁極鉄心にコイルを巻いてこれに直流を流す。これを励磁電流という。また、このコイルを界磁巻線という。この励磁電流は交流発電機の場合は交流であるため、これ専用の励磁機を必要とする。

以上述べた電気発生のコイル(これを電機子巻線という。)、磁極、界磁巻線、ブラシ、集電環、励磁機等は交流発電機には欠くことのできない電気的要素である。

(b) 交流発電機の構造

(2)(a)で述べた交流発電機では回転体に電機子コイルがあって、固定子が界磁磁極であった。しかし多くの交流発電機はその逆である。

 

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図4・3

 

図4・3(a)のように固定子に電機子巻線があって、回転子は界磁巻線が施してある。そして励磁機から集電環を通じて界磁電流を磁極NSに送っている。この状態でこれを回転させれば固定子の電機子巻線に起電力が発生し、交流発電機となる。図4・3(b)のように固定子に1組の巻線を鉄心間に配置した場合には下図(a)のような単相交流が流れる。また、図4・3((c)のように固定子に120°づつへだてた3組の巻線を配置した場合には下図(b)のような三相交流が流れる。

 

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