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4] 缶水循環が明確であるから蒸発量が多い。

5] ボイラ効率70〜90%

等であり、高出力機関用に適している。発生した蒸気は飽和蒸気であるから、これをボイラの煙道又は火炉壁に設けた過熱器や再熱器で加熱して蒸気タービンに供給し、蒸気タービンの熱効率を高める必要がある。なお、燃焼制御、過熱蒸気温度制御、給水加減等は、自動的に制御盤で行われている。

 

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1] 水管     5] 冷却水管の管寄せ

2] 汽水ドラム  6] 過熱器

3] もどり管   7] バーナ

4] 燃焼室

図3・11 横形水管ボイラ

 

3・4・4 ガスタービン (gas turbine)

ガスタービンが最初に動いたのは、1902年コーネル大学の大学院生のS.A.モスが試験的に製作したことによる。その後1905年2人のフランス人アルマンガンとルマールがこれを実用化し今日に至った。

蒸気タービンは蒸気を吹き付けて動力を発生させるが、ガスタービンは、蒸気の代わりに、高熱ガスをタービンの羽根に吹き付けて、動力を得る装置で、図3・12は基本的な原理図である。図3・12にみるように、大気圧の空気が圧縮機に入る。ここで3〜5気圧に圧縮された空気は燃焼室に入る。そこへ燃料が入って炉と同じように連続的に燃焼する。この燃焼された高圧高温のガスが、ガスタービンの羽根にぶつかり、ガスが膨張するとともに、ガスタービンには機械的仕事をする。この膨張ガスは排気ガスとして大気に放出される。この場合、空気圧縮機はガスタービンの軸に直結されているので、ガスタービンの有効出力は、圧縮機に必要な動力(普通半分以下)を差し引いた残りの動力である。ガスタービンの熱効率を高めるために、排気ガスを直接大気に放出しないで、熱交換器をとおして、燃焼室に入る空気を予熱して大気へ放出する方法(図3・12の点線の部分)又はこの予熱した空気を、更に、冷却して圧縮機へ入れる方法等がある。前者を開放再生サイクルガスタービンといい、後者を密閉サイクルガスタービンという。

 

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図3・12 開放サイクル又は再生サイクルガスタービン原理図

 

 

 

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