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R君が持ち帰ってくれたからこそ、あのような行動がとれたんだと思う。R君はKちゃんのかけがえのない素晴らしき守護神である。

では何故R君が、素晴らしき守護神になり得たか、それは日々常に、R君の洗濯物をたたんであげたり、探し物を探してあげたり、ご飯をついであげたり、お茶わんを洗って上げたり等のそうした、人のために尽くす行いを積み重ねて来た、それは言うまでもなく、R君のかけがえの無い大切な人であった。それがR君の行動となって現れたのである。

常日頃のR君は、お風呂の掃除頼むよと言えば快く引き受けてくれる。終ったかなと思って行ってみると、水が溜めてない。「R君、お掃除終ったら水を溜めるんだよ」と言えば「お父さんは水溜めれって言わんかったぢゃないか」と言う。しばらくして行って見ると水は出ているけれども栓がしてない、こうした「おっとり屋」のR君なのであるどう見ても常日頃Kちゃんが積み重ねて来た徳が働いたとしか思いようがないのである。

今Kちゃんは高校三年生、来年は就職なのである、それを目指して大奮闘中なのである。簿記三級、電卓三級、情報処理三級、ワープロ三級、その他色々、その色々の中に特筆される夢は、自動車の運転免許である。左足こそ障害があるが右足は健常なのである。幸せなるかな今はオートマの時代なのである。Kちゃんの行動半径は弥が上にも広がって行く事でしょう。Kちゃんの笑顔とバイタリティな行動は世の中を清めてくれることでしょう。

 

 

 

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