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十、里親での生活が始まって

高知県里親連合会 黒岩誠健

 

里親という所があると聞いて、僕は少し不安だった。なぜかというと、今までの施設生活の中では全く耳にすることがなかったし、養子のようになることが嫌だったからだ。

僕は、中2の初めまでは普通の家で暮らしていた。父は、小3の時に亡くなり、その後母も精神的な病気になってしまったことをきっかけに、気持ちが落ち着かず、いろいろと不良行為を行なってしまい、施設に入所することとなったのである。けれども、そこでの集団生活に耐えられなくなって無断外出を繰り返し、次はより生活の厳しい施設に変わることとなった。そこでも、無断外出を何度もした。それでも、次第にそこでの生活の苦しさに耐えることができるようになり、ついに希望であった高校への進学が叶った。

しかし、施設を出てから住むことに予定していた兄の家が都合で住めなくなってしまい、困っていたところ、施設や児童相談所の先生方が住む場所を捜してくれた中で、他の施設と里親さんの紹介があった。

 

 

 

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