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普段、母が親の介護をしている姿を見て、私は福祉の道に入り、これから迎える高齢化社会に、「介護福祉士」として役立ちたいと思いました。それに、児童相談所の先生方にお世話になったときのことを考えると、やはり福祉の道へ進みたいという気持ちになりました。それで、根本家の父母にお願いをしたところ、「旭川福祉専門学校」への進学を快く認めてくれ、また、応援をしてくれることになりました。「福専」で学ぶ中、今まで人との接し方が分からなかった自分が、少しずつ変わっていけたことを実感し、仲間と自然に笑い合ったり、痛みを分かち合えることの大切さを知ることが出来ました。

根本家で育てて貰った13年間を振り返ってみると、高校や専門学校の入学、そして、就職の際「本別町特別養護老人ホーム」に何ひとつ苦労しないで入れたのも、根本家の両親と児相の先生方の支えがあったからこそと感謝しています。

今は、福祉に携わるこの仕事を自分の為ではなく、お年寄りのために頑張っています。

私は、20歳になり、社会人として独立したとき、私の意志で根本家に養子縁組をお願いし、それを根本家の両親は受けてくれました。

 

 

 

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