日本財団 図書館

共通ヘッダを読みとばす


Top > 歴史 > 地理.地誌.紀行 > 成果物情報

自然と文化 第63号「御幣」

 事業名 観光資源の調査及び保護思想の普及高揚
 団体名 日本観光振興協会 注目度注目度5


御幣の動態学祈祷と祭の現場から……山本ひろ子

 

はじめに

――天照大神が天石窟に籠ったので、世界は真っ暗闇となってしまった。そこで神々は、天の香具山の榊を根ごと抜き取り、上の枝に八坂瓊(やさかに)の御統(みすまる)を、中の枝には八咫鏡を、下の枝には青和幣(あおにきて)・白和幣(しろにきて)を取り懸けて、共に祈祷した……(『日本書記』本文)。

言わずと知れた、天岩戸神楽の起源神話である。

御幣。幣束。みてぐら。神前に捧げる幣帛の一種で、白・五色・金銀などの紙で作り、竹などの幣串に差した。元は四角形の紙だったが、やがてその両脇に紙垂(しで)をつけるようになり、神霊の依代や祓具として用いられるようになった。繊細な切り紙文化の代表格として、日本各地には多種多様の御幣が存在している。

とはいえ、神社の本殿などにうやうやしく奉安されている御幣を見つめても、神霊の息吹は感じられず、不信心者のわたしを一向に誘惑することもない。

御幣を、お定まりの神の形象や祭場の飾り物から解き放ち、幣帛という古い役割からの変容を見届けるためには、祈祷や祭のただ中で御幣の動態を掬いとる必要がある。そのとき御幣は、とりすました神の依代であることをやめ、思いがけない身じろぎを示すかもしれない。

 

◎I 御幣の祭文と御幣作り◎

「御幣の祭文」の世界

霜月神楽系の祭が分布する天龍水系の山里。なかでも大神楽(おおかぐら)・花祭の伝承地としてつとに有名な奥三河(愛知県北設楽(きたしたら)郡)は、多くの祭文・詞章を生み出してきた。

そうした祭文群の中には、祭の起源や祭具の出自・聖性を語り、ことほぐものが少なくない。たとえば<花>の宗教義を説く「花の祭文」や、釜の神の由来と禁忌を説く「釜の神の祭文」などである。

とすれば、神の依代である御幣の聖なる本地を語り、讃えた祭文が存在してもよいだろう。事実、豊根村(とよねむら)の禰宜屋敷には、「御幣の祭文」(注1])(仮称)と呼ぶにふさわしい祭文が伝わっている。

 

053-1.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






サイトに関するご意見・ご質問・お問合せ   サイトマップ   個人情報保護

日本財団会長笹川陽平ブログはこちら



ランキング
注目度とは?
成果物アクセスランキング
194位
(32,630成果物中)

成果物アクセス数
61,565

集計期間:成果物公開〜現在
更新日: 2020年10月17日

関連する他の成果物

1.二丈町姉子の浜の鳴き砂保全活用調査報告書
2.「玖島城址及び城下町武家屋敷街跡」調査報告書
3.「城下町彦根の町なみ?歴史的景観の調査と保存修景?」調査報告書
4.自然と文化 第61号「アジアの柱建て祭り」
5.自然と文化 第62号「瀬戸内を生きた人びと」
6.「下呂温泉まつり」ポスター
  [ 同じカテゴリの成果物 ]


アンケートにご協力
御願いします

この成果物は
お役に立ちましたか?


とても役に立った
まあまあ
普通
いまいち
全く役に立たなかった


この成果物をどのような
目的でご覧になりましたか?


レポート等の作成の
参考資料として
研究の一助として
関係者として参照した
興味があったので
間違って辿り着いただけ


ご意見・ご感想

ここで入力されたご質問・資料請求には、ご回答できません。






その他・お問い合わせ
ご質問は こちら から