今回は建物を、かこまれたポリラインで表示している。建物ごとに、地籍地番の情報を付し、その地番を<キー>とし、地物とデータベースをリンクさせる。地籍地番を用いる理由は、建物の位置情報が住居表示の番号と地番がそれぞれ別個に併在しているところにある。地番は規則性をもって配置され、今後変化する可能性が少ないと推測し、位置情報の基盤として採用した。ここでは「BLUE MAP 住居表示地番対象住宅地図」を用いて入力した。
6-1-2 ラスターデータ(画像データ)
背景画像としたラスターデータは以下のものを使用した。「御城下惣絵図」(天保7年 1836)
6枚分割の絵図として伝わり、伝存する城下町絵図としては最も詳細なものとされる。方位や距離などは若干の誤差はあるものの、江戸時代後期の城下の形態をほぼ正確に伝えていると考えられる。
部分画像データとして解像度600dpiで区画ごとにスキャニングしたものを、歪みの著しいものはラバーシーティング(幾何補正)を、それ以外は尺度設定をして背景として貼り付けた。これは表記されている氏名が読み取れる程度であり、ミクロ分析ができる。
全体画像データとして、解像度200dpiで足軽屋敷全体をスキャニングしたものを、尺度設定をして背景として貼り付ける。これは建物の輪郭を視覚で捉えられる程度であり、マクロ分析ができる。
航空写真(昭和57年 1982)
部分画像データとして解像度600dpiで足軽屋敷之部分をスキャニングしたものを、尺度設定をして背景として貼り付ける。これは建物の輪郭を視覚で捉えられる程度であり、ミクロ分析ができる。
全体画像データとして解像度200dpiで区画ごとにスキャニングしたものを、尺度設定をして背景として貼り付ける。
航空写真(昭和36年 1961)
解像度300dpiで区画ごとにスキャニングしたものを、尺度設定をして背景として貼り付ける。
航空写真・米軍撮影(昭和22年 1947)
解像度300dpiで区画ごとにスキャニングしたものを、尺度設定をして背景として貼り付ける。
6-1-3 テキストデータ
地理情報システムを用いてリンクするテキストデータとしては以下のものを用いた。彦根民家調査カルテデータベース
今回の調査で調査しデータベース化したものである。(第1〜3章参照)主に昭和前半以前の民家を対象にしている。
地籍地番を<キー>とし、彦根市ディジタルマップ及び彦根市税務局作成の昭和20年以前建築の民家データベースとリンクさせる。
家屋台帳・昭和20年以前建築の民家データベース
税務局が所有している昭和20年以前に建築された建物をデータベース化したものである。所在地は地籍地番で表記されている。
地籍地番を<キー>とし、彦根市ディジタルマップ及び彦根民家調査カルテデータベースとリンクさせる。「彦根藩侍屋敷之図」(文政12年1829)データベース
「彦根藩侍屋敷之図」(文政12年1829)を昭和63年に手書きで写したものをデータベース化したものである。
<キー>である地籍地番とリンクさせる事が困難なため今回は参考資料としてテーブル表示のみとする。
ここで二つの視点でもって、より適切な手法を検討する。
1]マクロ的
彦根城下町全体から足軽屋敷地区に向けて視点を運び、いかにも上空から彦根城下町を見ているかのように、城下町全体の景観を概観する。地形・街区・河川・掘割等の変化を空間分析する。
彦根市ディジタルマップ
「御城下惣絵図」(天保七年 1836)
航空写真(昭和五十七年 1982)
航空写真(昭和三十六年 1961)