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このことからこれらの有機的な漂流物は、砂浜に残留するようになり、これが鳴き砂にとってマイナス要因の一つとして作用していると考えられる。

仮説6. レクリエーション利用による影響

もともと姉子の浜は、国道や鉄道が海岸ぎりぎりに沿うように設置されており、またそのすぐ後ろは山が迫っているため集落も近くになく、アクセシビリティは低いところであった。しかし建設省による国道のパーキングが設置されたことによって、車によるアクセスが容易になった。このパーキングの主な利用者で、砂浜に関連すると思われる人々をあげると、休憩のために立ち寄る運送業やドライブ目的のドライバー、玄海の荒波を求めて集まるサーファー、そして夏場パーキングを占領してしまうのが主に海水浴を目的としたレジャー客である。ここで問題となる事象は、ドライバーのたばこの灰や吸い殻、また海水浴客が持ち込むゴミ、花火、そしてバーベキューなどをした跡の消し炭などである。これらは砂の不純物として入り込み、鳴き砂のとって大きなマイナス要因となることはすでに報告されている。京都府の琴引浜では、キャンプ禁止や禁煙という規制によって対策が図られていることからも、鳴き砂の浜の保全のためには重要な問題であることが分かる。特に夏の間のレジャーが盛んになるシーズンは、砂が鳴きにくくなることも、これらの事象が砂を鳴きにくくする直接的な要因であることが言える。

 

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姉子の浜沖のサーファー

 

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海を見に姉子の浜に降りるドライバー

 

 

 

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