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そしてネットワークの目的は、次のような活動を通してホスピス緩和ケアを推進することと確認された。

a. ホスピス緩和ケアプログラムの発展の促進と関連する領域における主導的活動

b. 専門家の育成と一般社会への啓蒙

c. コミュニケーションの強化と関連する情報の普及

d. 研究活動や協同作業の育成

e. 他の関連する専門家や公共機関との協力の促進

 

今後の予定

 

このほか、会員の登録、投票権、評議委員の構成と会の持ち方、活動内容などについて話し合われ、法人の申請をするために本格的な準備に入ることになった。また、ネットワーク運営のための人件費、事務費、ホームページ開設費用などが予算化され、それを各国で分担することになった。日本の分担額については、とりあえず当初の2年間分に関してライフ・プランニング・センターが負担し、当センターが生みの親となった「アジア太平洋地域ホスピス緩和ケアネットワーク」の発展に協力することになった。次回の会議(第6回)は、2000年5月にシンガポールで開催される予定で、再会を約束して閉幕となった。

また、本会議に引き続き、6月2日から4日まで「Asia Pacific Hospice Conference 1999」が香港コンベンションセンターで開催され、ネットワークのメンバーはカンファレンスにおいても講演や座長など重要な役割を担った。この会は、アジア太平洋地域のホスピスケア従事者の交流とともに、欧米の専門家を招聘してアジアの人々に学習の機会を提供することも目的としたもので、1996年にシンガポールで最初に開催され、以後、各国持ちまわりで開催されている。今回は、16カ国約700名の参加があり、ホスピス緩和ケアに関する講演、シンポジウム、ワークショップ、一般演題発表などが行われた。今後、2001年に台湾で、2003年には日本で開催されることも決まっており、アジア太平洋地域のホスピス緩和ケアネットワークの発展が大いに期待される。

なお、当財団では、毎年11月に行われているバザーを、今年度は、「アジアにもっとホスピスを―アジア太平洋地域ホスピスネットワーク促進のために―」というスローガンで開催した。財団各部署のスタッフ、ボランティアの協力のもと、約260名の方々のご来場をいただき、大変盛況な会となり、収益金はネットワーク促進のために使わせていただくこととなった。

 

報告/ピースハウスホスピス教育研究所 松島 たつ子

 

 

 

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