日本財団 図書館


040-1.gif

専門用語が理解を妨げることも

 

コミュニケーションというのは、送り手と受け手の間で意味の交換をしているわけです。ところが使われているいろいろなシンボルは、人によっていろいろ違っていて、たとえばクリニカル・サイコロジスト(臨床心理士)のことをCPといいますが、それはセレブラル・ポルジー、脳性麻痺でもあります。ですから同じことを話しているつもりでも、全然違うことを話していたということがあり得ます。

 

「大丈夫です、引き受けました」と言ったのが、自分はその状態に対してちゃんと管理しますよと言っているつもりでも、患者の身になると元通りに全部治して家へ帰してくれると受け取ってしまうかもしれません。オックスフォード英語事典で、最もよく使われる500語というのを引き出した解説を見ると、1万4,070もの違った意味があるのだそうです。つまり、500語のうちの1語につき平均して27の違った意味があるということです。ですから単語ひとつにしても、それだけ違うということは、その人がどのように使っているかで全く意味が違うこともある。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION