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こころを癒す?ホスピスケアとボランティア?

 事業名 保健医療に関する教育及び調査研究
 団体名 ライフ・プランニング・センター 注目度注目度5


18年くらい前でしょうか。私と季羽倭文子さん(ホスピスケア研究会代表)とで、先にお話しした近代ホスピスの創始者、シシリー・ソンダースさんを日本にお呼びしようとしたのですが、ソンダースさんのご都合がつかず、同じセント・クリストファーズ・ホスピスからピーター・グリフィスという医師が講演に来られたのです。そのときにグリフィスさんが講演で「この絵は、がんの終末期の一人の患者さんが最後に残したものです。この患者さんはこの絵を描いた次の日に亡くなられました」と述べられました。それをお聞きしたとき、私はそのような絵を描いた次の日に亡くなられたとはどういうことなのか……という気持ちがありました。そうしたら、講演後の質問で、日本の一人の医師が、「前の日に絵が描けた患者さんが次の日に亡くなるというのは、何かケアに欠陥があったからではないですか」と。一般に、医師や看護婦は特に日本ではそう考えますね。それに答えてグリフィスさんは、「ケアがよかったから、前の日まで絵が描けたのです」とはっきりおっしゃいました。みなさん、どう思われますか。どちらに軍配を上げますか。

最後まで何かができて、さっと亡くなるようなケアか、それとも点滴や高カロリー輸液などの医療を受けながら、命を長引かせて、そして亡くなられるか。日本の場合は後者が断然多いと思われます。昨日まで絵が描けるほどの力があったのに、今日亡くなったというのは、ケアの面で何か見落としているものがあるのではないかという見方をするか、それともその人自身のいのちの尽きるその瞬間まで何かがやれた。次の日こは起こるべきことが起こったというように理解するか。どちらがいいかということを私はここであえて申しませんが、ぜひお互いに話し合っていくべきことだと思います。

 

 

 

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