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そして、支配的なところでは相手に耳を傾けるように努力するのです。もし、職場であまりにも同意的になっていると、家での支配がさらに強化されたりして、家族がたまったものではないでしょう。

職場の中では同意者的だという場合に、同僚とかあるいは親しい人とバウンドリーのトレーニングをするといいのです。バウンドリーというのはプラクティスですから、実践しないと確立することは不可能です。どんなに頭で理解していてもだめです。そのときには「ノー」と言ってツンとされる人とはトレーニングすることはむずかしいでしょう。「ノー」と言ってもお互いに受け入れられるような人たち3、4人で組んで、そのときには、たとえば「ランチに行こう」と言ったら、自分に何か予定などがある場合には「いや、きょうは行けません」と言うのです。その「ノー」をちゃんと聞いてあげるのです。そのトレーニングをして実践していくと、「非常にむずかしい人」にも「ノー」と言えるようになるのです。

 

【事例】

ある方が次のような質問をしました。「仕事の面でも友達でも、子どもたちに対しても、わりと自分の中のバウンドリーと子どものバウンドリーを理解して、よい関係ができるのですが、夫との間にはそれができないのです。夫はすごく巧みなんです。夫と話すと必ず言いくるめられてしまいます。夫と話をすると、自分が無力で価値のない子どものような気分になります。ほかの人には全然そんなことはないのですけど、夫に対してだけなんです。自分でもどうしていいかそれがよくわかりません。あとで“いまのはおかしいんじゃないかな”と思うのです」と。

この場合、夫は論理的にものごとを考えて、妻がこう言えばああ言うという、妻の言い分を夫が全部言いくるめてしまうために、妻は最後には何も主張できなくなるのです。

 

 

 

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