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まず、建替えや事業化などおもにハード整備に関する検討が行われている構想推進調整部会及び構想推進研究部会、地区別まちづくり検討部会の3つの部会がある。さらに、活動拠点としてのまちづくりセンターの企画や運営を行うまちづくりセンター部会があるほか、それぞれのテーマを持った部会(音楽・広報・商業・環境・まちの改善)がある。

 

3. 音楽部会の歩み

 

(1) 音楽部会の経緯

音楽のまちづくりは、まちづくり活動に当初から重要な役割を果たしている一人のリーダーの想いからはじまった。地域に住む音楽家が活躍することが、まちのイメージを高めることにつながるという思いがまちに広がっていった。

例えば、豊中在住の音楽家やコーラスなどの音楽愛好家などと手を組んで、地域の小学校の体育館やホテル、まちのホールなどを舞台にコンサートを開催した。それが、「サロンコンサート」の始まりである。

小学校での開催は、豊中市地域防災計画(平成10年3月改訂)に位置づけられた避難場所や備蓄場所を地域の人に確認してもらう意味も含めていた。さらに、ホテルでは、「手話の入門講座」や「クリスマス・コンサート」等を実施し、地域活動の拠点としてその機能を果たしているところである。

また、平成6年(1994年)9月には、ジャズミュージシャン古谷充氏とまちづくりリーダーが手を組んで、ライブハウスや音楽店等数多くのジャズ愛好家の人達を集め、「豊中ジャズ・フェスタ」を開催した。このイベントは、ホールやライブハウス、ストリートとあちらこちらの街角を拠点にして、ジャズの生演奏を行っている。イベント参加者は、それぞれの街角を歩きながら、ジャズの生演奏を楽しむ仕掛けとなっている。これは毎年開催されるようになり、現在約6回にも及ぶジャズ・フェスタが行われている。

こうした継続したイベント活動によって、地区内をゆっくりと安心して歩けるような道のフルモール化が目指されることとなった。また、ジャズフェスタの拠点のひとつである豊中駅前広場は、市主体の鉄道高架化事業で、カリオンやミニコンサートが開けるミニ広場が設置される予定となった。

 

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ジャズ・フェスタ

 

(2) 音楽部会の活動

平成10年度(1998年)の音楽部会は、サロンコンサート&生き生きセミナーと題して「暮らしの中にハーブと音楽を」、「絵手紙と音楽」、「シネマで綴る音楽一夜」などを開催した。また、平成11年度(1999年)の音楽部会の事業計画には、「音楽が持つバラエティーに富んだ特性を活かし、地域の子供からお年寄りまで、多くの人々に健康で心豊かな潤いのある生活が出来る手助けをする」ことが記載され、「音楽療法」の研修や「ハレルヤコーラス'99豊中」の開催を行っているところである。また、「自治宝くじコミュニティ助成」を受け、音響機器を購入し、その活用と貸し出しを行っている。

 

4. 音楽のまちづくりの展開

 

豊中駅前地区のまちづくりは、地域の中にあるあらゆるテーマを取り上げ、そのテーマと地域との関わり合いのなかで総合的なまちづくりを進めている。その中の一つである"音楽のまちづくり"は、まちづくりリーダーの音楽への想いが、音楽に関心のある人を集め、地域固有のまちづくりへと参画を促した。また、構想づくりと具体的な実績づくりによって、これからの整備に音楽が取り入れられるようになってきた。

このように、豊中駅前まちづくり協議会は、音楽のほかにも様々なテーマ型のコミュニティ活動を地域の活動・運動として展開し、地域での総合的なまちづくりを進めている。

 

 

 

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