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「市民都市の創造」をめざして

福田富一(宇都宮市長)

 

本市は、東京から北へ約100km、新幹線で約50分の距離にあり、面積約312km2のなかに、44万の市民が生活を営んでいる。平成8年には、市制100周年を迎えるとともに、関東以北では最初の「中核市」に移行した。

市街地が、水田や畑、平地林など豊かな自然に囲まれ、都会と田舎が適当にミックスされた温かみのあるまちであるとともに、ハイテク度の高い内陸最大の工業団地を抱え、日本で初めての1周約34kmの環状道路や高い下水道整備率をもつなど、都市基盤の整備も進んでいる。

本市を「魅力ある快適なまち」にしていくとともに、次世代を担う若者にとって「夢と希望のもてるまち」を築いていくために、私は、「市民都市の創造」を掲げて、平成11年4月から市政を預かって、9か月余りが過ぎた。毎日毎日が、市民のためのまちづくりをめざし、一つ一つ真剣勝負の連続である。

私の掲げる「市民都市の創造」は、市民が主役、市民主体のまちづくりである。誰もが安心して、健康で暮らせる、魅力と活力に満ちたまちを市民とともにつくりあげていくことであると考えている。

こうした考えのもと、これまでに、民意を反映するシステムを構築するため、「市長に直結するFAXと電子メール」や地区ごとの「まちづくり懇談会」を実施するとともに、「最大のサービス産業は市役所である」との認識のもと、本庁窓口サービスの時間を9月から平日夜7時迄延長した。職員は遅番制を導入し、現行人員体制で実施した。

また、介護保険制度を円滑に進めるために万全の体制を整えるとともに、「福祉のまちづくり条例」の検討も進めている。

さらに、少子化対策として、保育料の低減や延長保育の拡大、乳幼児の医療費無料化の拡大など、子育て環境の整備を充実していくとともに、明日の宇都宮を担う子どもが心身ともに健やかでたくましく育成できるよう、30人学級を見据えた、チーム・ティーチング方式による学級運営に取り組むとともに、学校、家庭、地域が一体となった開かれた学校運営を実施するため学校評議員制度の導入を推進していこうと考えている。

今後も日常的な市民の期待にこたえる施策に取り組むとともに、将来を見据えて、新交通システム(LTRなど)の導入や基幹バス構想の実現、再開発事業を立ち上げるなかで、例えば再開発ビルのなかに市や県の公営住宅を入れてしまうなど、街に住む人を増やすための施策に取り組んでいきたい。また、あらゆる団体が参加して本年度設立した「まちづくり推進機構」のなかで、中心市街地の今後のあるべき姿を官民一体となって検討するなど、福祉、教育、都市計画、環境問題、産業振興などにも重点を置いた政策を展開したいと考えている。

21世紀は、少子・高齢化が更に進むとともに、「魅力があり、活力のあるまちづくり」が今以上に求められるなど、「都市間競争」がより一層激しくなってくる。

市民の一人ひとりにとって、住みやすく、誇りのもてるまちづくりのための「市民都市の創造」にむけて、市政運営に取り組んでいく。

 

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市民が主役、市民主体のまちづくり

 

 

 

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