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しかしながら、国・地方の財政事情が非常に厳しい中で、地方団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるようにするためには、地方税源の充実確保とともに、それぞれの地方団体の判断と責任で財源を確保する努力を尊重することが必要である。

超過課税に際しては、「地方団体が課税する場合に通常よるべき税率でその財政上の特別の必要があると認める場合においては、これによることを要しない税率」と地方税法に定められている。従って、超過課税を行おうとする地方団体が、行革努力等を行うことを前提として、「その財政上の特別の必要」について住民や納税者の理解を得る必要があることは当然であり、また法人に超過課税の税負担が大幅に偏るような運用には慎重であるべきであるとしても、地方団体の自主的努力による財源の確保のために、超過課税の制度をそれぞれの地方団体がその財政需要に対応して適切に活用することが期待される。

 

(2) 法定外普通税及び法定外目的税

現在、地方税法には法定外普通税が規定されており、地方団体は条例で法定外普通税を課することができることとされている。

具体的には都道府県において、石油価格調整税、核燃料税、核燃料物質等取扱税等などで14団体が、市町村においては、砂利採取税、別荘等所有税などで6団体が課税しているが、合計で20団体、平成10年度決算額で207億円と必ずしも多いという状況にはない。

過去、犬税、広告税、古都保存協力税、ヨットモータボート税、文化観光施設税、商品切手発行税等があったが、いずれも廃止されている。

ところで、地方分権一括法において、課税自主権の尊重として、法定外普通税の自治大臣の許可を同意に変えるとともに、新たに法定外目的税の創設がなされ、2000(平成12)年4月1日に施行されることとなっている。これらにより、法定外普通税や法定外目的税の創設に係る地方団体の事務負担が現行制度に比べてかなり軽減されることになるものと考えられる。

これらを踏まえ、たばこ自動販売機設置税、除雪税等の導入も検討されているとの新たな動きも若干は見られる。

 

 

 

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