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3]福祉制度の見直しと市町村を中心とした福祉行政の展開

社会福祉において、少子・高齢化の進展等による福祉サービスに対する需要の増大・多様化等に対応して、福祉制度の見直しや計画的な基盤整備が進められてきている。福祉制度の見直しの背景には、1981(昭和56)年の国際障害者年等を契機にわが国に広まってきたノーマライゼーションの理念の一般化、在宅福祉の強化と保健・医療・福祉の総合的なサービスの提供、住民に身近な市町村中心の福祉行政の展開といった考え方が基礎となっている。

1991(平成3)年には、老人福祉法等福祉関係8法の改正が行われ、市町村を中心とした福祉行政の展開や地方行政における計画的な老人保健福祉の基盤整備の推進が図られていくことになった。

老人福祉法第10条の3

「市町村は、65歳以上の者であって、身体上又は精神上の障害があるために日常生活を営むのに支障がある者が、心身の状況、その置かれている環境等に応じて、最も適切な処置が受けられるように居宅における介護等の措置及び特別養護老人ホームヘの入所等の措置の総合的な実施に努めなければならない。」

 

4]地方分権の推進と地域福祉

福祉行政の分野においては、機関委任事務や団体委任事務のウェイトが大きかったが80年代半ば頃から権限移譲が進められ、90年代においては、前述のように社会福祉関係の法制度において住民に身近な市町村を福祉サービスの責任主体とする改正を行ってきている。さらに、今回の地方分権一括法の改正により関係各法が改正され、福祉サービスのほとんどは市町村の自治事務と位置づけられた。

 

 

 

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