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(3) これまでの政府の取り組み

1]ゴールドプラン

21世紀の本格的な高齢化社会の到来を見据えて、健康で生きがいを持ち、安心して生涯を過ごせるような明るい活力ある長寿・福祉社会としていくため、高齢者の保健福祉分野のサービス基盤の拡充を図ること目的として、1989(平成元)年12月に高齢者保健福祉推進10カ年戦略(ゴールドプラン)が策定された。これにより、在宅福祉サービスや施設サービスの具体的な目標を掲げて1990(平成2)年度から1999(平成11)年度までの10年間に計画的に整備が進められていくこととなった。中間年の1994(平成6)年度には目標値の引き上げ等の計画の見直しが行われ、1995(平成7)年度から新ゴールドプランが実施されている。その進捗状況は第4表の通りである。

 

2]介護保険制度

さらに、老後の最大の不安要因である介護問題に対応するために、介護が必要な高齢者等の介護を社会全体で支え、利用者本位の総合的な介護サービスを提供し、多様なサービス供給主体の参入によるサービスの質的向上を図る等の観点から、1994(平成6)年頃から新しい介護システムの構想が検討されはじめ、審議会における検討や国会での審議を経て1997(平成9)年12月に介護保険法が制定され、2000年(平成12)年4月から施行されることとなった。

介護保険制度は、市町村の役割の重要性をさらに高めることになる。すなわち、介護保険制度は、老人福祉と老人医療とに分かれている高齢者の介護制度を再編成し、社会保険の仕組みを活用しながら利用者の希望を尊重した総合的な介護サービスを受けられるようにするものである。市町村は、介護保険制度を運営する保険者として位置づけられており、介護保険事業計画の作成及びこれに基づく介護サービス基盤の整備、要介護認定、被保険者管理、保険給付等の事務を通じて、住民の介護不安の解消や安心して生活できるまちづくりに主体的に取り組んでいくことが期待されている。

 

 

 

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