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第2 類似団体について

 

I はじめに

 

市町村が財政運営の健全性を確保していくためには、自らの財政状況を分析して問題の所在を明らかにし、それを将来の財政運営に反映させていくことが適当である。分析に当たっては、自らの財政状況を他の団体と比較することが有効であるが、比較対象は、その態様(財政状況を決定する前提条件[例: 人口])が自らと類似している団体であることが望ましい。

類似団体とは、そのような比較検討の資料を提供するため、自治省において、態様が類似している団体ごとに作成されている類型のことであり、「類似団体別市町村財政指数表」において、類似団体ごとに、最新の決算結果に基づく標準的な財政指数が示されている。

 

現在、類似団体の類型は、市(政令市を除く。)及び町村別に、団体の人口及び第2次・第3次産業人口比率を基準として、設定されている。

 

人口及び第2次・第3次産業人口比率という基準は、昭和34年度の類似団体の類型設定に当たって採用されたものであり、その後、抜本的な変更を加えられることなく今日に至っている。

一方、この間、社会、経済等、地方財政を取り巻く環境は大きく変化してきている。たとえば、昭和35年当時32.6%であった第1次産業人口比率は平成7年度には6.0%まで減少し、第2次・第3次産業人口が94%を占めるようになっている。また、都市の拡大、交通機関の発達等に伴い、昼間人口と居住人口との差が拡大してきた。

したがって、現行基準が、今日においても、なお有効であるか、また、より有効な基準が他にないかどうか検討する必要がある。

 

また、平成8年4月1日の12市を皮切りに、中核市への移行が進んできている。中核市は他の市とは行政権能が異なるにもかかわらず、現行の類似団体の類型設定基準においては、中核市であるかどうかについての考慮はなされていない。

 

以上の点を踏まえ、当研究会では、現行の類似団体の類型設定基準について、見直しを行う必要がないかどうか、検討を行うこととしたところである。

 

 

 

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