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30.3.4 介入の期間中、優先債権者は、これに先行する違反に関連して免責プログラムが確実に実行されるとともに、新たな違反が発生しないようにしなくてはならない。新たな違反が発生した場合は、終了する権利が再び、発生する可能性がある。

 

30.3.5 合意では、優先債権者が手を引くか、もしくは事業者変更が発生した場合に介入の効果が最後を迎えるとも定められる。契約は、事業者変更された後、最初の満了日まで普通に継続し、事業者のデフォルトを理由とする終了の手続が実現される。もし契約が継続する場合でも、これは当事者が契約変更を全く行わないということではない。例えば、業績と支払いメカニズムが当事者を正しく動機付けしていないことに同意し、変更が必要となるかもしれない。これは、問題となるメカニズムがどの程度ためされていないものか、どの程度自動的な調整が働くかによる。

 

30.3.6 優先債権者が違反を矯正できないか、もしくはプロジェクトを免責できない場合、契約の第20条第3条および第20条第4にしたがい、終了が発生する。免責されない請求は、事業者から肩代わりされる場合には、第11条(相殺)にもとづき相殺される。

 

30.3.7 上述のアプローチの利点は、優先債権者が介入するか否かを決定する時に、どのような補償責任を承諾するのか、はっきり知っていることである。同時に、違反が発生した場合、もしくは優先債権者が先行する違反を矯正するための努力を十分にせず、それゆえ当局が優先債権者の介入の後もそれ以前と実質的に同様の状態にある場合、当局は終了の権利を保持している。

 

30.3.8 事業者により市場価値が支払われる代わりに、優先債権者は、(銀行口座もしくは下請業者に対する請求の他に)資産に対する保証を解除することに合意すべきである。優先債権者は、補償の支払いを受けるため満額の返済を受けるかぎり、優先債権者の担保権を当局に移転することに合意すべきである(【23.5 資金提供者の安全策】を参照のこと)。

これはもちろん当局による優先債権の購入という形で実現することも可能である。

 

30.4 介入時の累積業績ポイント

 

30.4.1 一つの重要なポイントは、優先債権者が介入した時に、業績ポイントがどこまで累積し続けるかということである。

 

30.4.2 推奨されるアプローチは、部分的には【23.6 損害賠償の請求】において言及されている諸問題と請求が発生する可能性により、異なる。業績ポイントの発生率が当局の損失を反映するかぎりにおいて、当局は事業者が負担する業績ポイントにより、保護されている。このような状況においては、当局の主たる関心事は提供されなかったサービスに対して支払をしないよう確実を期することである。

 

30.4.3 この事例に該当するかぎり、矯正が行われるようにするため延長された期間中は終了からの免責が与えられることにより、業績ポイントをゼロに戻すか、もしくは業績ポイントの発生を中断する、いずれかの方法で矯正プログラムが実現可能となるよう、相当期間が与えられるが、その趣旨は終了の契機を作る(すなわち一括支給からの減額を発生させない)ことにのみである。

 

 

 

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