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20. 中途解約

 

契約の当事者は契約を最後まで履行しようとするべきだが、契約には中途解約についての包括的な規定も含む必要がある。契約には中途解約の場合補償がどれほど支払われるかを厳密に定めるべきである。支払われるべき補償金額は、解約の理由により異なる。

 

20.1 当局のデフォルトによる解約

 

20.1.1 はじめに

契約では、事業者に中途解約する権利を与える出来事を定義し、かつその場合の関連当事者の権利を決定しておくべきである。

 

20.1.2 事業者の当局のデフォルトを理由に解約する権利

 

20.1.2.1 事業者は、当局もしくは政府が、契約上の関係を維持できなくさせるか、もしくは事業者のサービス提供能力を完全に無効にさせるような行動をとった場合、契約を終了する権利を認められるべきである。軽微な違反はこの範疇に入らず、また重大な違反であっても、当局の行動が上述したような影響を持たなかった場合にはそれだけでは不十分である公算が大きい。

当局のデフォルトは、しばしば以下のように定義される。

“当局のデフォルト”

とは、以下の出来事のいずれかを意味する。

(a) 当局もしくはその他関係当局による資産の重要部分または事業者の株式1の収用、

差し押さえもしくは徴発

(b) 契約上当局が支払い義務を持ち、支払い期限が到来している[ ]ポンド(物価スライド付き)を超える金額の支払いが、事業者の正式な書面による請求後30日経過しても行われなかった場合が本契約にもとづき支払期日を迎え、かつ当局により支払われるべきようになった場合。但し、支払期限が事業者の書面による請求の[2]ヶ月前に到来している場合に限る。2

 

1 もし事業者の株式が持ち株会社により所有されているときは、持ち株会社の株式も含める。また、収用・差し押さえ・徴発が建設または運営下請け会社の契約履行能力を妨げる場合には、それらの会社の資産および株式も含める。

2 但し、契約上で支払い遅延の場合の遅延損害金規定が定められていることが前提。(【10.2.5】及び【29.8 支払い遅延損害金】を参照のこと)

 

 

 

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