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12.3.6 当局がそれでも変更を推進したいと望む場合、事業者と当局は会合を持ち、変更の潜在的影響について審議すべきである。変更後のプロジェクトが事業者に資金の追加を図るよう要求するに十分であれば、この変更は当局が変更を完全に実現すると明言するまで確定しないかもしれない。したがって、事業者が適切な資金調達を行うために"妥当な努力"をしようとすることが必要である。事業者が適切な資金調達を行えない場合、当局は別な方法で変更のための資金を調達する(たとえば、いつような資金そものを提供する)権利を確保すべきである。当局は、提供された資金が良好なVFMに相当するよう確実を期すべきである。

 

12.3.7 見積もりと時価は、変更から生じる公算の大きい影響の公正な見積もりになると推定される。しかしながら、当局は、公正な価格を決定するとともにさらに詳細な予測を入手するため、事業者とは無関係に独立した検討を求める権利を付与されるべきである。当事者らの意見が一致を見ない場合、問題は独立自営の第三者によって解決されるべきである(【27. 紛争の解決】を参照のこと)。ひと度価格が合意されるか、もしくは決定されたなら、事業者は該当する変更を具体化するべきである。

 

12.3.8 当局が変更を推進しないと決定した場合、その決定により事業者は変更の費用見積もりの際の費用を負担することになるかもしれない。一方、実際問題として、事業者が非現実的なほど高額な価格を見積もることにより、絶対に変更が実現されないようにすることもできる。この問題を処理する方法としては、変更が実現されないという決定が公正な価格について合意に達しなかったことに起因しない場合、事業者はかかる変更を評価するうえで負担した妥当な費用のうち、合意された水準を上回る分につき、当局から払い戻しを受ける権利を有すると定めるのも一つである。しかしながら、これが適正であるか否かを決定するうえで、以下に挙げる要因のすべてが関係する。

・ 妥当な見積もりを作成するために、事業者(この場合、唯一の供給者である)によってすでに請け負われた処置、

・ 当局が見積もりのうちの費用の小項目に目を通す機会を得た(すなわち、構成要素の検証が可能だった)場合、その程、および

・ 変更が最初の必要条件の一部について行われる(たとえば、訓練とシミュレータに関わるプロジェクトにおいて変更は不可避だが、多くの施設プロジェクトでは回避できる場合が多い)場合、その範囲

 

12.4 支払いの手段

 

12.4.1 当局が資本支出(すなわち、事業者の資金調達費を増大させる効果を有する支出で、たとえば建設工事に起因するか、もしくは建設段階に負担される支出)を必要とする変更を発生させた場合、一般に当局はかかる費用を、一括払い、段階的支払い、もしくはかかる費用が負担されたとおりの金額で(明細付き請求書が提示され次第)支払うべきであるが事業者が契約の期間中に、一括請求を増額することにより、VFMが良好となる方法で費用そのもののために資金を準備し、負債を償還できる場合はこのかぎりではない。

 

 

 

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