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10.4.3 実際の一括請求が、個々の独立した利用可能性に対する支払いと、関連施設管理に関わる個々の独立した履行に対する支払いの組み合わせであるような体系は適正ではない。というのは、そうした支払いは、【10.3 金銭的な直接的インセンティブもしくは非金銭的な間接的インセンティブ】において詳述されている基本方針1すなわち当局は一まとまりのサービスには一つの一括請求を定めた、単一の契約を締結するべきだという方針に外れるからである。とくに、利用可能性に関わる支払いは進行中のサービスに対する支払いとは(一括請求の構築という点から見て)完全に無関係なので、施設の利用可能性と関連サービスの提供との間の相互関係が失われるため、金銭的に最高の価値を得るという目的とはしっくりなじまない。

 

10.5 資金調達の可能性

 

10.5.1 支払いメカニズムは、事業者の資金調達費の基礎を固めたり、それを保証したりするものではない。ふつう、かかる体系から創出される比較的軽微なリスク移転は金銭的に良好な価値を提供せず、当局はしばしばサービスの要素間の調整というリスクを負う。支払いメカニズムの体系は、当局の必要条件を満たすものでなくてはならないし、その場合資金調達はこれに調和するように構築されなくてはならない。資金調達が不可能な提案ははっきり回避されなくてはならないが、当局は実際上、資金調達リスクのすべてを承認したりすべきではない。

 

10.5.2 支払いメカニズムが客観的であり、減額が適正な重要度にしたがっていれば、モデルAに立脚した一括支払いシステムが完全に資金調達可能であることは、経験によって立証されている。融資者はふつう、みずからが使用している、さまざまな事由に対する資金調達の敏感性を示す資金調達モデルが実行される範囲内で調整する(そうすることによって、融資者は支払った全額を失うリスクが最小化されると評価する)ため、利用可能性に関わる削減を期待する。

 

 

 

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