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9.10 履行監視の結果報告

 

9.10.1 契約は、履行に関する情報を報告する方法を特定する必要がある。監視は、可能であればつねに、たとえばシニア・レンダーのため、など、なんらかの方法で準備された報告を用いるべきである。検討されるべき重要な問題は、以下のとおりである。

・ だれによって、どんな報告が必要とされているか?また、どれほどの頻度で必要とされているのか?たとえば請負業務責任者、経営責任者など、それ以外のだれによって、その以外のどんな報告が必要とされているか?

・ 監視報告は標準形式で行われる予定か、あるいはIT互換形式か?

・ 監視期間の終了後、報告書が受領されるまでにどれほど時間がかかるか?

・ 当局=事業者間の定期的会合は、どれほどの頻度で行われる必要があるか?事業者は、だれの出席を求めているか?

 

9.10.2 【23.6 損害賠償の請求】において詳しく論じられているとおり、特定の不履行に関連する業績ポイントは、その不履行に関連して当局が得る唯一の免責とするべきである(ただし、契約を終了する権利は発生した得点数に左右されるので、その場合はこのかぎりではない)。

 

9.11 不十分な履行の自然的結果

 

9.11.1 契約において、アウトプット仕様によって必要とされる基準を達成するために、事業者による不履行の結果は明確に詳述されなくてはならない。

 

9.11.2 一般的なアプローチでは、事業者は不履行のそれぞれにつき、不履行の重大さによって異なる業績ポイントを負わせられる。この場合、契約書には、履行のアウトプット仕様を満たさなかった不履行のそれぞれについて課される得点数を詳しく明示した付表が含まれる。不履行の重大さと発生する業績ポイント、それに事業者に対する潜在的な金銭的影響との間には明確な相関関係がなくてはならない。たとえば、刑務所の外側の芝を刈り損ないといった不履行には、安全に関わるチェックが行われなかったという不履行と同じ高得点が与えられるべきではない。

 

9.11.3 業績ポイントが蓄積しても、たいていの場合は、ただちに一括請求に影響が及ぶことはない。一般に減額が開始されるのは、蓄積された得点数が一定レベルを超えた時だけである。履行がひと度一定レベルを下回るほど悪化すると、履行の改善を図るよう事業者を促すために、その他の−正式な警告にはじまり、最終的には違反を理由とする契約の終了にいたる。−非金銭的なメカニズムが実行される(【20.2.2.1 契約終了に結びつく事由】を参照のこと)。

 

 

 

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