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8.4.2 残余価値に関わるリスクがいっさい移転されず、終了時に資産のいずれかが当局に復帰する可能性がある場合、当局は契約の期間中支払いつづけている(かつ、VFMの評価が行われる基礎となった)価格に、適当なメンテナンス義務のための金額がまちがいなく含まれるようにする必要があるだろう。そうすることにより、かかる資産のメンテナンスがそれまで行われなかった場合はそのかぎりにおいて、当局への移転もしくは復帰に際してその時点での費用はゼロとなり、その代わりに最後の数年間に引き続き支払いが行われる(【22. 終了時の調査】を参照のこと)。

 

8.5 調査

 

8.5.1 とくに契約の最後で当局が資産をふたたび引き取る場合、メンテナンス義務は監視される必要があり、かつ専門の担当者は、この監視が、いかにすれば(履行の必要条件以外の方法で)、みだりに干渉することのない方法で行われうるかについて合意を得る必要がある。

 

8.5.2 以下は、調査にかかわる契約条項の、適当な例である。

 

8.5 調査

 

(a) 当局が、事業者が本契約の第8章第1条(メンテナンス)にもとづく義務に違反していると合理的に信じる場合、当局は事業者が本契約の第8章第1条(メンテナンス)にもとづくその義務にしたがい、資産のメンテナンスをそれまで行ってきたか、現在行っているかを評価するため、資産の調査を実行し(もしくは実行させ)てもよい。この権利は、2年間に1度という頻度を超えて行使することはできない。

(b) 当局は、当局が調査の実施を希望したいと望む日より[7]日以上前に、事業者に対し、書面により、通知するものとする。事業者が別の日に調査が実施されるよう依頼し、かかる依頼が通知された実施予定日より[2]日以上前に行われ、事業者(合理的に行動する)が通知された実施予定日における調査の実施が、事業者のサービスを提供する能力に対する重大な不利益を与えることを立証できる場合、当局はかかる別の日について誠実に検討するものとする1

 

1 その他、これに関連して指定する必要のある検討事項があるかもしれない(たとえば、部門によっては、調査がある特定の日に実施されると、安全に不利益を与えることもあるかもしれない)。

 

 

 

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