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3.6.4 3.2.5で述べられているとおり、当局はサービス提供開始日に先行して、各段階の作業を承認(たとえば、重大時点で承認を与える)してはならない。しかしながら、ある特定のプロジェクトでは、当局が未完のサービス提供(たとえば、未完成の建設など)を承認するのが適正な場合もある。主たる例を挙げるなら、以下のとおりである。

・ 道路建設プロジェクトにおいて、建設は完全には完了してないが、道路がある特定の安全基準を達成した時点で道路庁(Highway Agency)が通行を認める許可を出した場合。道路の最終的な承認は、事業者が未完の建設工事を完了した時点で行われ、支払方法は事業者が確実に工事完了のインセンティブを与えられるように体系化される。

・ 公共施設建設プロジェクトでは、建設工事のさしたる重要性のない部分が未完であるが、それが事業者のサービス提供能力に絶対的に必要ではない−これは特定の分野に絞って(たとえば造園工事など)か又はより一般的な記述を通して行われる(例えば、“deminimis defects,shrinkages or faults”)。当局はサービス提供を承認するかもしれない。これが承認されるのが契約締結の前であれ、後であれ、当局は支払方法を通じて、事業者が確実に未完工事の完了のインセンティブを与えられるようにしなくてはならない。当局の技術アドバイザーは、工事のいかなる局面であれば、サービス提供開始後に完成しても問題がないか助言すべきである。

・ ある特定プロジェクトにおいては、当局は最終的に全体的なサービス提供の一部にする責任を保持するであろうことから、故意にリスクの一部を保持する局面もあるかもしれない。

・ サービス提供が段階的に行われることになっているプロジェクト。この場合は支払いの導入にも適正な区切りを設ける(この場合もまた、インセンティブがある構造で)ことが適正かもしれない。

 

3.7 現行のサービス提供

 

事業者が、新たに請け負ったサービス提供とは別に、現行のサービス提供を引き継ぐ場合、認可/承認に関わる問題から、その他の問題が発生する。当局は事業者が新しいサービス提供を遅延せず予定通りに開始し、単に現行のサービスのみを提供することのないようなインセンティブを与える支払方法と終了補償を構築すべきである。この場合、当局にとっては運営の観点から新しいサービス提供の規定より、現行のサービス提供の規定がより重要である。

 

 

 

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