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主催者あいさつ

 

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全国知事会会長・埼玉県知事

土屋義彦

 

本日は地方六団体と財団法人自治総合センターとの共催によりまして、「地方分権推進フォーラム2000」を開催いたしましたところ、このように全国津々浦々から大勢の皆様方にご参加をいただきまして、誠にありがとうございます。

またパネルディスカッションのコーディネーターである横島先生、そしてまた諸井先生、西尾先生、新井先生を始めとするパネリストの皆様方には、たいへんお忙しい中ご出席を賜り、主催者を代表いたしまして心から御礼を申し上げます。

さて、皆さんご存知のようにわれわれ地方自治関係者が待ちに待った地方分権一括法が、いよいよ本年4月より施行されることに相成ります。明治維新、戦後改革に次ぐ第三の改革と言われております地方分権が、まさに実行の段階に入ろうとしております。このように地方分権の制度改革を大きく前進させることができましたのも、政府、国会関係者はもとより、本日ご出席の諸井先生、西尾先生を始め、地方分権推進委員会の諸先生方のご尽力のたまものであり、改めて感謝を申し上げる次第でございます。

戦後のわが国において中央集権型の行政システムは、経済の復興、欧米へのキャッチアップ、そしてまたナショナルミニマムの達成に大きな役割を果たしてまいりました。しかし、一方では全国的な統一性の確保や公平性を重視するあまり、地方文化などの個性が薄れ、地域の活力をかえって低下させるなどの弊害が目立ってまいりました。国と地方との役割分担を踏まえつつ、対等・協力の関係を確立することで、地方を活性化することが求められているところであります。

同時に国際社会の変貌、住民の価値観の多様化、少子高齢化や情報化の進展といった社会経済の急速な変化に柔軟に対応するためにも、新たな行政システムの構築が不可欠になってまいりました。つまり従来の規格大量生産に向いた画一的な社会経済システムに代えまして、多様な個性や創造性を尊重するシステム、住民の種々のニーズを的確に捉え地域社会の活力を取り戻していくシステムを構築することであります。そのために地方分権の確立はまさに時代の要請であり、現在の日本社会の閉塞感を打破し、21世紀に向かって新しい扉を開いていく重要な鍵になるものと確信をいたします。

 

 

 

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