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ごあいさつ

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埼玉県知事

土屋義彦

 

本日ここに、自治省、財団法人自治総合センター、埼玉県の主催によりましてふるさと環境シンポジウムを開催をいたしましたところ、このように多くの皆様方のご参加をいただきまして、かくも盛大に開催することができましたことを厚く御礼を申し上げます。

御案内のとおり、埼玉県庁におけるISO14001につきましては、私が昨年の10月に取得の意思を内外に表明して以来、今日までの環境優先を基本とした県政の実績や私の強い意思を体し、全職員が一丸となって取り組みました結果、本年の2月22日に認証を取得することができた次第でございます。近年ますます複雑、多様化の様相を呈しております環境問題へ適切に対応いたしますためには、県民、事業者、行政の活動の中に環境配慮の仕組みが根づくことが大切だと私は考えております。そこで、まずもって県が率先してすべての施策の中に環境管理の視点を導入し、継続的な改善を一層強化してまいるためにISOの取得に取り組んでまいったわけでこざいます。このシンポジウムも、こうした自治体、そしてまた企業の環境施策のあり方を広く皆様方にお伝えするとともに、環境改善の取り組みが一層促進されるよう開催したところでもこざいます。

とりわけ私はちょうど今から20年前になりましょうか、第2次大平内閣におきまして環境庁長官を務めさせていただきました。当時小渕総理は総理府総務庁官、一緒に大臣をやった仲間でもございますが、私はこの自然環境、生活環境の保全、そしてまた公害の防止にとどまらず、公害の未然防止、アメニティー、すなわち快適な潤いのあるまちづくりに全力で取り組みました。要するに人間の命を守る、このことに情熱をもって取り組んだ次第でございます。こうしたことから、県政をお預かりするようになりました今も、私の県政運営の基本理念の一つに、環境優先をあげておるようなわけでこぎいます。

ダイオキシンの問題につきましては、平成8年9月、まだ全国知事会会長になる前でございましたが、政府主催の全国知事会議におきまして私が初めてこの問題を取り上げ、時の橋本総理に対しまして政府としての考え方をただしました。そのとき橋本さんは、ひとまずは地方自治体で取り組んでもらいたいというようなことでございまして、私はこれには納得できませんでした。それで当時の岩垂環境庁長官のところへ参りまして、政府としての取り組みを訴えたところでもこざいます。その後また小泉厚生大臣や石井環境庁長官のところへ参りまして、現地を視察してもらいたい、百聞は一見にしかす、ぜひお願いしたいということを訴えました。私自身も現場を3回も訪れ、視察をいたしましたが、聞きしにまさる野焼きの状態には本当に驚きました。死の地獄のような感じを深くしたわけでございますが、こうしたことによって両大臣にもご視察をいただきましたし、当時一部法令の改正がなされたようなわけでございます。

 

 

 

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