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地形は、九州山地をはじめとする山々が四方を囲み、中央部を球磨川が貫流する盆地である。なお、上村の白髪岳付近は、国及び県の自然環境保全地域に指定されている。

気候は、年中を通じて比較的温暖多雨であるが、盆地であるため寒暖の差が大きく、内陸性の気候である。

歴史は、紀元前5千〜6千年前から人が住み、弥生時代には既に農耕社会が形成されていたとされる。鎌倉時代には、地頭として相良氏が入荘し、明治維新まで670余年間統治を続けた。

このように、中球磨地域は球磨川や周囲の山々といったすばらしい自然と、きれいな水や空気に恵まれ、また、古くから歴史と文化に支えられた地域であるということができる。

 

(2) 人口

全国的にも少子・高齢化が進行する中で、中球磨地域においても、過疎化に伴う総人口の減少の傾向と相俟って、人口構造が大きく変化してきている。

人口の減少は、昭和60年から平成7年の10年間では、19,535人から18,533人と約5%の減にとどまっている(図表2-2)。

しかし、年齢3区分別の内訳をみてみると、65歳以上人口が約45%増加しているのに対し、15〜64歳人口は約10%減、0〜14歳人口は約20%減となっている。さらに0〜4歳の人口をみてみると、1,374人から953人へと約30%の減となっており、少子化が急速に進行していることが窺える。また、昭和45年と比べてみても、65歳以上の人口は倍増しているのに対し、15歳未満の人口は半分近くにまで落ち込んでいる(図表2-3)。

高齢化率は、65歳以上の人口増加に伴い、この10年間に13.8%から21.1%へと大きく増加し、中球磨においては4人に1人が高齢者という時代が目前に迫ってきている。

また、住民の平均年齢からみると、昭和40年には30歳前後であったものが、平成7年では42歳前後になり、今後10年で、50歳弱にまで上昇するものと予想される(図表2-4)。

人口の推移及び将来予測を県の合計と比べてみると、昭和60年から平成7年までの10年間においては、総人口の減少率、年少人口の減少率及び老齢人口の増加率はいずれも、県の平均値よりも上回っており、他の地域に比べても過疎化、少子・高齢化がより強く進行していることがうかがえる。また、コーホート法による将来人口予測では、中球磨地域におけるこの傾向は、今後さらに急速に進むものと予想される。

中球磨地域の平均寿命を県平均と比べてみると、男性、女性とも県平均よりもやや少ない(図表2-5)。

さらに、全国の中球磨地域と類似規模町村の平均と比べてみると、昭和60年から平成7年までの総人口は、中球磨地域が5.1%の減少であるのに対し、類似規模町村の平均は逆に3.6%の増加となっており、大きな格差が見られる。但し、将来予測では、平成27年度の総人口推計値及び平成7年の値と比べた減少率とも、中球磨地域と類似規模町村が、ほぼ同じ数値となっており、将来の人口減少は全国的な潮流であることをうかがわせる。

 

 

 

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