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第2章について

 

○本章については、メガフロートの建設費用の扱いについての指摘が出た。すなわち、積算費用については数値を書くのがよいかどうか検討が必要であるとの意見があった。この点について、本調査研究の趣旨からみればメガフロートの費用については、欠かすことは出来ないが、その妥当性については様々な前提に基づくため、視点・条件が変われば結果としての数値も変わってくるものであることを明確にしておく必要があることが指摘された。

 

○メガフロートの費用積算に関しては、例えば、最も大きな問題として、以下のような点が指摘された。

メガフロートの安全基準や設計基準など現在残されている課題については、メガフロート本体の強度が十分か、係留施設が3基でいいかどうか等、その経済性を左右し、実現を支える基本的な課題であるので、明示しておく必要がある。この点に関しては、メガフロートの法制や安全性については、平成9年から運輸省で技術総括審議官を置いて検討を進めている。メガフロート技術研究組合の実験が平成12年に終了するので、それをにらみながら、国がこのような新しい有意義な取組みのブレーキにならないように留意しているとのことであった。

なお、法制度や安全基準については、本来は、“プロジェクト”と“予算”と“制度”との関連で決まってくるものであるが、技術の評価としてはすでに平成8年に普天間のヘリポートについて政府レベルの審査があり、技術的には問題なく可能であるとの結論が出ている。また、今日、民間のデファクト・スタンダードが先行することが国際的にも普通となっており、建設費用の積算も可能であること、けい留施設については、呉湾は東京湾よりも緩やかで、条件的にはよりよい状況にあるため、問題になるような点はないことの教示があった。

 

○メガフロートの安全性やメンテナンスの費用を考えていくに当たって、どのように寿命を考えていくかについての教示があった。本調査研究の対象とするテーマについては、安全性の考え方が確立されていないが、一般的には、例えば、50年対応とすると50年に1回ということではなく、3倍の条件、この場合は150年に1回生じると考える必要がありその安全性をどう見るかは、(1-1/150)の50乗として計算する。大体、60%程度の所に来るのではないか(計算では72.1%となる)。

 

○津波による被害の可能性についても指摘があった。これに関連しては、東京湾での津波については、関東大震災級の震災の場合でも70cm程度の津波が見込まれる程度であり、ほとんど問題になっていない。

 

 

 

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