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以下の検討は、図表2-5の“生産波及効果の試算(計)”の欄をもとに行う)。

注)なお、広島県の「地域産業連関表」のこの93分類と、全国の91部門分類は、分類区分が若干異なっている。

ちなみに、広島県においてメガフロート建設又は埋立て事業によって空間創出事業が実施された場合、移輸入を考慮しない封鎖型の場合にはそれぞれ以下のような波及効果が見込まれれている。

・「船舶・同修理」の場合は、投資金額に対して2.555倍であり、全国の場合をやや上回っている。

・「金属製品」の場合は、投資金額に対して2.386倍であり、全国の場合をやや下回っている。

・「建設」の場合は、投資金額に対して2.166倍であり、全国の場合をわずかに下回っている。

図表2-5の逆行列表(移輸出入を加味した開放型もの)欄によると、ここで想定している3つの産業分野の広島県内の需要が1単位増加することによって、広島県内において、「船舶・同修理」の場合は1.577の生産が、そして、「金属製品」の場合は1.600の生産が増加する。これに対して、「建設」の場合は1.469の生産が増加する。すなわち、各産業分野における需要増加の県内への歩留り率は、以下のようになっており、「建設」の県内歩留り率が最も大きく、「船舶・同修理」が最も小さく、7%程度の差となっている。

・「船舶・同修理」の場合は、61.7%

・「金属製品」の場合は、67.2%

・「建設」の場合は、67.8%

この県内歩留り率の差を考慮した波及効果を、メガフロート及び埋立てに対する投資額の規模、それぞれ185億円(190−5億円)、270億円をもとに検討すると、広島県内における生産額の増加は、図表2-5の“生産誘発額の試算(計)”の欄に示すように、

・メガフロートの建設について「船舶・同修理」の地域波及効果を利用した場合………297億円

・メガフロートの建設について「金属製品」の地域波及効果を利用した場合………301億円

・埋立について「建設」の地域波及効果を利用した場合………397億円

になると見込まれる。埋立てによる「建設」は、生産の波及“比率”は相対的に低くなるが、投資金額自体が大きくなるため、“生産額”の増加は最も大きくなる。

この広島県内における生産波及を各分類別に特徴を見ると、以下の通りである。

 

 

 

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