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1999年12月31日から2001年1月1日までの368日間、伊豆地域22市町村による「伊豆新世紀創造祭」が開催されることになっており、新しい伊豆の魅力を観光客が体験する温泉や食などをテーマにしたイベント開催や、高齢者や障害者が観光地を過ごしやすく訪問するためのバリアフリーシステムなど新しい時代にふさわしい観光システムの実験・試行などを行う予定になっている。

 

イ 加賀温泉

○新たな観光需要の創出

県外客の減少に対応するため、「加賀ファンクラブ」(事務局:市観光振興課)設立し、入会者に情報誌の送付や加賀市の特産品、市内観光施設割引券などの特典を供している。外国人観光客の誘致については、北陸地域内の観光施設を利用した外国人に対して割引制度(Welcom21)を導入している。また、外国人の受け入れ用観光施設として同市内に4つのペンションを設置している。

○新たな観光資源の創出

温泉等の自然資源や文化財等の文化資源だけではなく、地元の人材についても主要な観光資源として捉え、大分県湯布院町の観光関係者との情報交換を行い、本年度からは、市職員を湯布院町観光協会に出向(2年)させ、観光現場での経験やノウハウの吸収に努めている。

また、片山津温泉では、旅館・ホテルの若女将が発起人となって平成10年度から年末カウントダウン花火大会(大晦日に打ち上げられる花火をみながら年を越すという企画)を実施し、かなりの集客があったことから同温泉では、新たな観光客の誘致策として期待している。また、加賀市内の旅館・ホテルの一部において、夕食(7品程度)のうちの一部(3品)を観光客自身に食材を選択させているところもあり、観光客のニーズにあわせたきめ細かい対応も行われている。

観光客に市の良さを感じてもらうために、定年退職、建築関係者が中心となって、大聖寺城址や中谷宇吉郎雪の科学館などで観光ボランティアが展開されている。

 

ウ 那智勝浦町

○新たな観光需要の創出

ボードセーリング、サーフィンなどの海洋レジャースポーツを目的とした入込客が増大しており、海水浴場、海岸部等に海洋レジャースポーツ用の施設等の整備を進めて、20歳代を中心とした若者観光客の増大を目指している。

那智勝浦だけではなく、和歌山や熊野地域といった広域観光を志向する観光客を誘致するため、熊野〜串本間の観光協会で組織する親睦団体「南紀観光協議会」を設立し、広域観光圏域、広域観光ルート整備している。

○新たな観光資源の創出

観光客への体験要素を拡大するため、1]広・美・少(人)を兼ね備えた体験型の海水浴場の実現、2]地域性のあるホエールウォッチングにより新たな体験要素の創出、まぐろを食材とした食体験の魅力化などを図ろうとしている。

駐車場拡大等のインフラ整備は限界にさしかかっているため、ソフト面を重視することとし、熊野古道のイメージと一体化した観光企画、サービスを導入している。平成11年に実施された南紀熊野体験博では、那智勝浦のイメージを全面に出した「一万人の熊野詣」(時代衣装を着て、熊野古道を行脚)、熊野古道の名所・大門坂での「茶屋のもてなし」(那智の水、地元の手もみ茶をつかったお茶のサービス)などが、非常に好評で、マスコミにも取り上げられた。

また、観光協会加盟団体の協力を得て「観光施設お土産の特別割引券」を、観光協会の観光案内所、旅館・ホテル等において観光客に無料配付し、10%程度の割引を実施している。旅館・ホテルでの配付は、旅館・ホテル自体の売上が下がるなどの声もあったが、チェックアウトする客に配付するなどで、意見の調整を図っている。

 

 

 

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